巻 頭 言
接地工事に関わって思うこと
テクニカルアースシステム株式会社
代表取締役 福嶋 茂雄
接地をめぐる社会環境はITの普及とともに激変し、従来の電力における感電防止(保安用接地)から雷害防止(機能用接地)へと変化するなか、電力、情報、通信、それに関係する機器メーカー、工事会社は、私を含め、もう一度、接地技術のあり方を見つめ直す時期にきていると思われます。
例えば、電力、情報、通信などの分野において信頼性を向上するために、接地に関する研究がきわめて重要な課題であるにもかかわらず、接地に関する研究者は比較的少ないうえ、接地のあり方については、その考え方や意見が分かれています。
各電力会社の、接地抵抗値の保守・管理に伴う定期測定の方法も、それぞれ異なります。
また使用する接地抵抗計、サージインピーダンス計は各メーカーに良い機器が有りますが、それを使用して測定作業をする人を見ていると、補助極の使用方法が多種多様で多くの疑問が残ります。
電極間隔は適切か、補助電極の取り扱いはそれで良いのか等々、何を何処で測定しているのかと考えさせられる場面もあります。
または接地極の設計、施工方法についても考え方がバラバラで、各社とも、大変苦労しておられると思いますが、なかなか良い打開策が無いようです。
最近耳にする事ですが、電力会社において接地極の抵抗値の保守、管理が困難の為か、それとも保守、管理が安定しているのか、接地抵抗値の見直しを行うような動きが有るようです。
接地は人間や電気関連設備機器の安全に必要不可欠なものです。
この様な状況の中で、接地工学研究会目的である、接地全般に関する調査・研究、 雷保護に関する調査・研究、EMCに関する接地の調査・研究、等を、強力に推進すれば、多くの課題解決に貢献出来るのではないかと思います。
近年、企業においてコンプライアンスが重要視され叫ばれるなか、私達は、困難な接地の課題から目を逸らさず、経年変化が少ない安定した接地工事方法に(“安心・安全・確実”を目指し)立ち向かっていますが、毎日が、新しい発見の連続です。
微力な私達にとって、この研究会が何でも気軽に相談出来、共有出来るものは共有化して、接地技術向上への情報発信源に成ればと思います。
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