3. 実験結果
同一柱におけるフィールドテストを接地の取りにくい岩石の多い現場を選び、棒状電極(連結棒)とワイド接地極の接地抵抗の低減効果の確認テストを下記の2方法により実施した。
@棒状電極の埋設方法 岩石が多いためハンマーによる打ち込みが出来ないため、穿孔(40φo)して孔に接地棒をさし込み土と接地低減剤を水でかき混ぜて充填する。
Aワイド接地極の埋設方法 さく孔装置で所定の位置に電柱穴をさく孔、深さは電柱の埋め込み深さ)規定よりも30p深く掘り、所定深さの孔がさく孔されたら、その底部に接地低減剤と掘削土を混合させたもので所定の深さまで充填し表面を均一に均す。次に、接地極は電柱の穴に合わせて拡張し、電柱穴の底部充填材上に吊り下げて敷き、接地低減剤と掘削土でコン柱の根入れ深さに突き固めながら埋め戻し、さらに接地低減剤の反応を促すために水を加えた後、接地極の上から所定の深さまで掘削土と接地低減剤を混入した改良土を充填し、さらに充填土、または、掘削土を電柱の回りに充填する。
〈3・1〉 同一柱における棒状電極とワイド接地極のフィールドテストでの接地抵抗の低減効果を確認した。その結果、フィールドAのワイド接地極1枚と接地低減剤使用の接地抵抗は17Ωであるのに比して、連結2極4本での接地抵抗は30Ωである。また、フィールドCの新規ワイド接地極1枚と接地低減剤使用の接地抵抗は35Ωであるのに比して、連結1極2本での接地抵抗は130Ωであった。
この結果から、ワイド接地極と棒状電極(連結棒)に歴然とした差があり、ワイド接地極と接地低減剤使用の埋設方法は優れた接地工法である事が確認された。
〈3−2〉 ワイド接地1極と接地低減剤1袋使用により、@、Aに示す埋設方法で施工し、その後の追跡調査により接地抵抗を測定した。その結果、施工後10箇所の平均値は36Ωであるが、工事後の追跡調査によれば施工2ヶ月後での平均値は26Ω、施工4ヶ月後での平均値は28Ωであった。
この結果から、ワイド接地極1極と接地低減剤を1袋使用による接地工事後の接地抵抗の経年変化はなく、むしろ接地抵抗が減少する傾向が確認された。
4.むすび
本論文の結果を要約すると、次のようである。
(1) 板状電極の改良で大地との接触を大きく取る事と、電極のエッジでのコロナ放電を利用した接地効果を狙った新規ワイド接地極を考案した。
(2) 新規ワイド接地極は、フィールドテストで接地極と接地低減剤“エコロジーライム”を使用することで、優れた接地抵抗の低減効果と接地抵抗値の経年変化が少なく安定な接地極であることが確認された。
(3) 今回提案した新規ワイド接地極と接地低減剤“エコロジーライム”による接地工法は、建柱が容易に早くでき、掘削土も利用でき、また、経年変化が少なく安定な接地が得られることから、工事費の低減にも結びつくと考えられる。
(4) 今後、さらに多くのフィールドでの接地低減効果と経年変化の追跡評価による効果の確認が必要である。
謝辞
本実験に際してご協力いただいた、中国電力山口支店徳山営業所配電計画課の皆様に謝意を表します。
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